(トム・ウェグナー)


 その昔、人はフィンのない木のボードを使って波に乗った。そのボードはハワイでは“アライア”、日本では“イタコ”と呼ばれ、世界各地で似たようなサーフィンが行われていた。しかし形跡こそあるものの、このシンプルなサーフィンは1900年代初めにはほぼ消滅し、そして長い間忘れられていた。

2004年、僕はホノルルのビショップ博物館で初めて古代ハワイのサーフボードを目にし、その卓越した職人技と、美しい形に心を奪われた。オーストラリアに帰ってから、レプリカを何本か作り、そしてまたこのボードに驚かされることになった。このボードでのサーフィンはとても楽しいのだ。こうして僕はアライアの虜となり、僕の情熱はすぐに仲間のサーファーに伝染していった。


アライアに乗り始めてから数年を経て、ボードの形はたくさんの進化を遂げた。いろいろなシェイプを試すため、まず大きなボードを作り、乗る度に修正を加えていった。最終的に、ボードは僕には小さくなりすぎて、グロメットへあげてしまうことになるが、とてもいい方法なのでシェイパーにはぜひ試して欲しい。

 僕はこれまでアライアのようなボードを知らなかった。このボードを試せば、だれもがその魅力に取り付かれてしまう。人気は急上昇し、今では多くの有名なサーファーがアライアに乗っている。デヴィッド・ラスタビッチ、トム・キャロル、マイク・スチュワート、ダン・マロイ、デレク・ヒンド、トーマス・キャンベル等、名前を挙げればきりがない。彼らのおかげでボードは評判となり、メディアに取り上げられるようになった。でも、僕にとって一番大切なのは、アライアはどんなレベルのサーファーでも楽しめるボードだということだ。


■How it works:


 ボードは薄くフラットで、波の上をとても速く動く。レールの固いエッジが波に食い込み、ボトムの緩やかなカーブは、ボードを波のフェイスに持ち上げてくれる。極限まで軽くなっているので、あっという間に加速する。またリンシード・オイルを塗ってあるため、水の中での滑りが非常によく、アライアは海の中でまるで魚のように速く動くことができる。

 薄いボードは、波の上にそのまま乗っているかのようにしなる。トリミングの時や波を捕まえる時、ノーズに体重をかければリバース・ロッカーを作り、さらに速く進むことができる。ターンの時にはノーズを反対方向にしならせて、ボードが元の形に戻る力を利用する。こうすれば、ボードはより速くターンする。柔軟性、厚さ、レールの固いエッジ、オイルを塗った表面――これらのコンビネーションが、非常に軽く、いきいきとしたサーフボードを生んだ。

 

■Philosophy of the Alaia: Step light but stand tall


 アライヤの哲学――「ステップは軽く、誇り高く真っ直ぐに立て」
アライアは環境にやさしく、エコ・フレンドリーなボードだ。栽培地で育った木で作られていて、多くの場合は有機栽培である。使われない部分はマルチングされて転売され、葉は家畜の飼料になるので、無駄にする部分がない。製造過程で使われる化石燃料エネルギーは最小で、唯一の石油化学副産物は、接着剤に含まれているがこれも微量である。ボードはリンシード・オイルと、ガム・テレピン、ビーズ・ワックスで密閉されている。ボードがその寿命を全うした時には、すべての素材は土に還すことができる。

 現代に生きる僕達には、大昔の人々がどれほど上手に波に乗っていたかを知る術はない。でも、アライアに乗り始めたことで、彼らが波乗りの達人であったことを想像できるようになった。アライアでのサーフィンは、これまでとはまったく違う感覚を持つ。自然をとても近くに感じ、そしてサーフィンを地球規模で捉えるようになる。最先端のボードを使えば、より多くの波をキャッチし、切り裂くことができるかもしれない。でも、それはよりよいサーフィンをしていると言えるだろうか?アライアに乗ると、サーファーは新しいレベルの難しさに直面し、ほとんどのサーファーがそれにうんざりさせられる。しかし、世界のトップサーファーの多くが、「このチャレンジこそ、サーフィンにより多くの刺激や喜びをもたらす」ということを経験した。アライアに乗っている時、人は自然と対話しているのだ。


■The board itself:
 ボード自体について――アライアは本当に長く使えるボードだ。これ以上ない程シンプルな形なので、どうやってこのボードに乗るのか想像することさえ難しいかもしれないが、アライアはひとつひとつのカーブに重要な意味を持っている。ロール、コンケイブ、厚さ、そしてカーブは1ミリ違ってもパフォーマンスに影響を与える。
 アライアはオイルを使ったメンテナンスや、サンディングや修理も必要になることがある。しかし、とても頑丈で、生涯にわたって使うことができるのだ。
それほど高価ではなく、使う者に長い間喜びをもたらしてくれる。いいボードは何ものにも代え難い価値を持っている。


※1インチ=1/12フィート=2.54cm

ABOUT  ALAIA  (アライアについて)

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